昨年12月29日に大井競馬場で行われた、年末の恒例イベント・東京大賞典(交流GI・ダ2000m)は、1番人気に押されたホッコータルマエ(牡4・西浦)が優勝。

 レース後、幸騎手や西浦調教師から、2014年のドバイワールドカップ参戦が表明されました。また、11月27日に亡くなった矢部幸一オーナーの代理として表彰式に出席した孫の渡辺弘明さんは「祖父は4月頃から『タルマエは日本一の馬。ドバイに行くぞ。』と言い続けていました。今日は4角を回って勝利を確信。祖母のスエが馬主資格を申請中ですが、ドバイに行けるなら僕も行きたいですね」と述べています。


 それでは、東京大賞典のレースを振り返ってみましょう。



 プロディージュが取り消して9頭立てという寂しい頭数になりましたが、前年の覇者ローマンレジェンド、同3着のワンダーアキュート、2013年の地方交流GIを3勝しているホッコータルマエ、そして2012年JCダートの勝ち馬ニホンピロアワーズと、JRA所属のダート強豪馬が多く出走してきました。

 人気はホッコータルマエが、前走JCダート3着ながらも同年の交流GIでの実績が評価され、1倍台の1番人気。2番人気には、前走JCダート2着のワンダーアキュート。差のない3番人気に、休み明けを叩かれて状態の上がってきていたニホンピロアワーズ。前年の勝ち馬ローマンレジェンドは4番人気でした。

 レースは、まずスタートでアクシデントが発生。4番人気のローマンレジェンドが、発馬機内で暴れて一旦外に出ます。後方で係員がチェックをして、再度ゲートインしますが、駐立が悪く出遅れてしまいます。また、この暴れた際に後肢に外傷を負っていたようで、ローマンレジェンドは先頭争いにまったく関われず、結局6着に敗れてしました。レース後、特にネット上では、係員の判断に対して、多くの疑問の声が寄せられる結果となりました。

 レース回顧に戻ります。ハナを切ったのは、3歳馬のサトノプリンシパル。小気味よい逃げで、向こう正面では後続との差を広げます。2番手にはワンダーアキュート、3番手にニホンピロアワーズ、4番手にホッコータルマエ。それぞれ1~2馬身の間隔で追走します。

 3角手前でレースが動き出します。ホッコータルマエが外から捲り気味に進出し、ニホンピロアワーズもこれに呼応します。さらに2番手のワンダーアキュートも含めて、3頭が並ぶカタチで、前を行くサトノプリンシパルを一気に交わして直線へ。

 内からコーナーワークを生かしてワンダーアキュートが一旦先頭。しかし、外のホッコータルマエが襲い掛かり、残り200mで馬体を併せます。間のニホンピロアワーズも抵抗しますが、伸びが悪く3番手に後退。残り100m。幸騎手の左ムチに答えてホッコータルマエが伸びます。内のワンダーアキュートに最後は1馬身1/2差をつけたところがゴール。完勝といえる内容で、見事に東京大賞典を制しました。

 これでホッコータルマエはGI4勝目。なお、4勝はすべて地方交流GIレース(かしわ記念、帝王賞、JBCクラシック、東京大賞典)です。レース後には、上記したとおり、西浦調教師が2014年のドバイワールドカップ挑戦を宣言。1月の川崎記念、そして2月のフェブラリーSという臨戦過程でドバイに向かう予定です。


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 12月1日に行なわれたジャパンカップダート(GI)。ホッコータルマエ、エスポワールシチーなど、ダート界の強豪が集まったレースで、見事にGI初制覇を達成したベルシャザール(牡5・松田国)。



 レース後、吉田照哉社台ファーム代表は「とりあえず来春のフェブラリーSじゃないですか?距離は2000メートルまでこなせますけどね。ドバイ?可能性はあるよね」と発言。ドバイワールドカップ(GI・メイダン競馬場・AW2000m)参戦を示唆しました。

 2010年からドバイワールドカップは、開催コースがダートからオールウェザーに変更になりましたが、2011年には当時のダート王トランセンドが2着になるなど、ダート適正の高い馬でも好走の可能性があるコースです。加えてベルシャザールは、元々芝のレースで良績を残していた馬。参戦が実現すれば、非常に楽しみな存在となります。


 ベルシャザールは、よく知られているように、3歳の時には芝の王道路線を歩んでいた馬です。皐月賞トライアルのスプリングS(GII)では、後の三冠馬・オルフェーヴルと3/4差の2着。皐月賞(GI)は大きく負けてしまいましたが、日本ダービー(GI)ではオルフェーヴル、ウインバリアシオンに次ぐ3着と好走。この世代の実力者であることを証明してみせました。

 しかし、この年の秋からベルシャザールの歯車は狂い始めます。菊花賞(GI)で17着に敗れたレース後、鞍上の後藤騎手はベルシャザールがDDSPという喉の病気にかかっていることを明かします。そのため半年の休養を余儀なくされました。

 4歳春、喉の具合も良くなり復帰をしたベルシャザールでしたが、またアクシデント。脚に骨折が判明し、今度は1年というさらに長い休養を強いられることになりました。

 2013年、ようやく競馬場に戻ってきたベルシャザールでしたが、復帰戦は芝ではなくダートのレースを選択します。これは松田国英調教師が少しでも脚に負担が掛からないようにと考えた上での選択でした。人気は長期休養明けや初ダートという不安要素が嫌われて8番人気でしたが、結果は3着。しかも、道中は騎手との折り合いを欠き大きくロスをした上での好走でした。

 ダートでも高い適正を示したベルシャザールは、1番人気に支持された復帰2戦目・白川郷Sを5馬身差で圧勝。その後オープン競走でも2着、1着と好走し、ダート重賞初挑戦となった武蔵野S(GIII)では、馬群を割って鋭い伸びを見せ、見事ダートで重賞初制覇を果たします。



 そしてGIの舞台、ジャパンカップダート(GI)に駒を進めたベルシャザール。相手はエスポワールシチー、ワンダーアキュート、ニホンピロアワーズなどの古豪や今年絶好調のホッコータルマエ、さらには活きのいい3歳馬も加わった豪華メンバーとなりました。

 3番人気に支持されたベルシャザールは、道中中団外めの好位置でレースを進めます。直線を向くと、1番人気ホッコータルマエが絶好の手応えで抜け出します。そこへ、ルメール騎手の抜群の仕掛けで伸びてきたベルシャザールと武豊騎手のワンダーアキュートが迫ります。最後は接戦になりましたが、ベルシャザールがホッコータルマエを捕らえ、なんとかワンダーアキュートの追撃を凌ぎ切ったところがゴール。長いブランクを乗り越えて見事にGI初制覇を成し遂げたのでした。

 最後にJCダート後の松田国英調教師のコメントをご紹介します。

 「クロフネやタニノギムレット、キングカメハメハという凄い馬に恵まれてきましたが、どうしても馬を壊してしまっていた。じゃあ、ベルシャザールでGIを勝ちたい、なおかつ馬を壊さないで勝つにはどうすればいいのか、慎重に、ずいぶんと留意してきました。GIを勝ったスタッフが7人いるように、ウチの厩舎スタッフはレベルが高いですし、自分たちなりにこの3年間工夫してきました。今の苦労が何年か後にはまたトップを争うところまでにつながっていくと思う。この苦労をしっかりと噛みしめて目標に向かって行けば、得るものも大きいと思いますから。」



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 10月に行なわれた天皇賞・秋(GI)で、惜敗続きが嘘のような圧勝劇を演じたジャスタウェイ(牡4・須貝)は、年内は休養をし、来年3月ドバイで行われる国際競走を目指す予定です。



 出走レースは須貝師が「ドバイシーマクラシック(GI・メイダン競馬場・芝2410m)にも登録するが、条件はドバイデューティフリー(GI・メイダン競馬場・芝1800m)がベスト」と述べているように、芝コースで行なわれる中距離戦になる予定。その前にひと叩きとして中山記念を使う可能性もあるようです。


 ジャスタウェイは、2歳の夏に新潟でデビューし、2戦目の新潟2歳S(GIII)でも2着と好走。そして、5戦目のアーリントンC(GIII)では、大外から1頭だけ違う末脚を見せ、重賞初制覇を果たします。



 しかし、ここからジャスタウェイは長いトンネルに入ります。NHKマイルC(GI)日本ダービー(GI)では、力を発揮できずに敗退。2012年秋初戦となった毎日王冠(GII)では2着となり、力のあるところを改めて見せますが、追い込み一手という脚質も災いしてか、惜敗が続いてしまいます。

 4歳。エプソムC(GIII)関屋記念(GIII)毎日王冠(GII)でも全て2着となり向かえた天皇賞・秋(GI)。ファンはジャスタウェイの安定感は認めていましたが、ジェンティルドンナやエイシンフラッシュなどのGI馬に比べれば一枚劣ると見られ、人気は5番目。あくまでも伏兵の一頭という戦前の評価でした。

 レースは、トウケイヘイローが引っ張り、ジェンティルドンナが2番手に付ける展開。速いペースで流れます。ジャスタウェイは、中団やや後ろめの絶好位をキープ。満を持して福永騎手が直線追い出すと、前を行くジェンティルドンナを並ぶ間もなく捕らえ、最後は4馬身差を付ける圧勝となりました。

 ファンのみならず、関係者も驚く強さを見せたジャスタウェイ。惜敗続きにピリオドを打つとともに、念願のGIホースになりました。


 なお、この馬を語る上で、馬主の大和屋暁氏のエピソードも忘れてはいけません。

 大和屋オーナーの職業は脚本家。ジャスタウェイという名前は、本人がシリーズ構成や脚本を担当したアニメーション「銀魂」に登場するキャラクターから付けられた名前です。大和屋オーナーは、他にもオツウパンデモニウムという名前の馬を所有していますが、これらも「銀魂」に登場するキャラクターです。

 また、大和屋オーナーの所有馬はジャスタウェイをはじめ全てハーツクライ産駒ですが、これは氏がハーツクライの一口馬主であったため。思い入れのあるハーツクライの産駒、それも単独馬主として初めて所有した馬でのGI制覇。かなりの強運の持ち主であることがわかります。



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