12月1日に行なわれたジャパンカップダート(GI)。ホッコータルマエ、エスポワールシチーなど、ダート界の強豪が集まったレースで、見事にGI初制覇を達成したベルシャザール(牡5・松田国)。



 レース後、吉田照哉社台ファーム代表は「とりあえず来春のフェブラリーSじゃないですか?距離は2000メートルまでこなせますけどね。ドバイ?可能性はあるよね」と発言。ドバイワールドカップ(GI・メイダン競馬場・AW2000m)参戦を示唆しました。

 2010年からドバイワールドカップは、開催コースがダートからオールウェザーに変更になりましたが、2011年には当時のダート王トランセンドが2着になるなど、ダート適正の高い馬でも好走の可能性があるコースです。加えてベルシャザールは、元々芝のレースで良績を残していた馬。参戦が実現すれば、非常に楽しみな存在となります。


 ベルシャザールは、よく知られているように、3歳の時には芝の王道路線を歩んでいた馬です。皐月賞トライアルのスプリングS(GII)では、後の三冠馬・オルフェーヴルと3/4差の2着。皐月賞(GI)は大きく負けてしまいましたが、日本ダービー(GI)ではオルフェーヴル、ウインバリアシオンに次ぐ3着と好走。この世代の実力者であることを証明してみせました。

 しかし、この年の秋からベルシャザールの歯車は狂い始めます。菊花賞(GI)で17着に敗れたレース後、鞍上の後藤騎手はベルシャザールがDDSPという喉の病気にかかっていることを明かします。そのため半年の休養を余儀なくされました。

 4歳春、喉の具合も良くなり復帰をしたベルシャザールでしたが、またアクシデント。脚に骨折が判明し、今度は1年というさらに長い休養を強いられることになりました。

 2013年、ようやく競馬場に戻ってきたベルシャザールでしたが、復帰戦は芝ではなくダートのレースを選択します。これは松田国英調教師が少しでも脚に負担が掛からないようにと考えた上での選択でした。人気は長期休養明けや初ダートという不安要素が嫌われて8番人気でしたが、結果は3着。しかも、道中は騎手との折り合いを欠き大きくロスをした上での好走でした。

 ダートでも高い適正を示したベルシャザールは、1番人気に支持された復帰2戦目・白川郷Sを5馬身差で圧勝。その後オープン競走でも2着、1着と好走し、ダート重賞初挑戦となった武蔵野S(GIII)では、馬群を割って鋭い伸びを見せ、見事ダートで重賞初制覇を果たします。



 そしてGIの舞台、ジャパンカップダート(GI)に駒を進めたベルシャザール。相手はエスポワールシチー、ワンダーアキュート、ニホンピロアワーズなどの古豪や今年絶好調のホッコータルマエ、さらには活きのいい3歳馬も加わった豪華メンバーとなりました。

 3番人気に支持されたベルシャザールは、道中中団外めの好位置でレースを進めます。直線を向くと、1番人気ホッコータルマエが絶好の手応えで抜け出します。そこへ、ルメール騎手の抜群の仕掛けで伸びてきたベルシャザールと武豊騎手のワンダーアキュートが迫ります。最後は接戦になりましたが、ベルシャザールがホッコータルマエを捕らえ、なんとかワンダーアキュートの追撃を凌ぎ切ったところがゴール。長いブランクを乗り越えて見事にGI初制覇を成し遂げたのでした。

 最後にJCダート後の松田国英調教師のコメントをご紹介します。

 「クロフネやタニノギムレット、キングカメハメハという凄い馬に恵まれてきましたが、どうしても馬を壊してしまっていた。じゃあ、ベルシャザールでGIを勝ちたい、なおかつ馬を壊さないで勝つにはどうすればいいのか、慎重に、ずいぶんと留意してきました。GIを勝ったスタッフが7人いるように、ウチの厩舎スタッフはレベルが高いですし、自分たちなりにこの3年間工夫してきました。今の苦労が何年か後にはまたトップを争うところまでにつながっていくと思う。この苦労をしっかりと噛みしめて目標に向かって行けば、得るものも大きいと思いますから。」



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 10月に行なわれた天皇賞・秋(GI)で、惜敗続きが嘘のような圧勝劇を演じたジャスタウェイ(牡4・須貝)は、年内は休養をし、来年3月ドバイで行われる国際競走を目指す予定です。



 出走レースは須貝師が「ドバイシーマクラシック(GI・メイダン競馬場・芝2410m)にも登録するが、条件はドバイデューティフリー(GI・メイダン競馬場・芝1800m)がベスト」と述べているように、芝コースで行なわれる中距離戦になる予定。その前にひと叩きとして中山記念を使う可能性もあるようです。


 ジャスタウェイは、2歳の夏に新潟でデビューし、2戦目の新潟2歳S(GIII)でも2着と好走。そして、5戦目のアーリントンC(GIII)では、大外から1頭だけ違う末脚を見せ、重賞初制覇を果たします。



 しかし、ここからジャスタウェイは長いトンネルに入ります。NHKマイルC(GI)日本ダービー(GI)では、力を発揮できずに敗退。2012年秋初戦となった毎日王冠(GII)では2着となり、力のあるところを改めて見せますが、追い込み一手という脚質も災いしてか、惜敗が続いてしまいます。

 4歳。エプソムC(GIII)関屋記念(GIII)毎日王冠(GII)でも全て2着となり向かえた天皇賞・秋(GI)。ファンはジャスタウェイの安定感は認めていましたが、ジェンティルドンナやエイシンフラッシュなどのGI馬に比べれば一枚劣ると見られ、人気は5番目。あくまでも伏兵の一頭という戦前の評価でした。

 レースは、トウケイヘイローが引っ張り、ジェンティルドンナが2番手に付ける展開。速いペースで流れます。ジャスタウェイは、中団やや後ろめの絶好位をキープ。満を持して福永騎手が直線追い出すと、前を行くジェンティルドンナを並ぶ間もなく捕らえ、最後は4馬身差を付ける圧勝となりました。

 ファンのみならず、関係者も驚く強さを見せたジャスタウェイ。惜敗続きにピリオドを打つとともに、念願のGIホースになりました。


 なお、この馬を語る上で、馬主の大和屋暁氏のエピソードも忘れてはいけません。

 大和屋オーナーの職業は脚本家。ジャスタウェイという名前は、本人がシリーズ構成や脚本を担当したアニメーション「銀魂」に登場するキャラクターから付けられた名前です。大和屋オーナーは、他にもオツウパンデモニウムという名前の馬を所有していますが、これらも「銀魂」に登場するキャラクターです。

 また、大和屋オーナーの所有馬はジャスタウェイをはじめ全てハーツクライ産駒ですが、これは氏がハーツクライの一口馬主であったため。思い入れのあるハーツクライの産駒、それも単独馬主として初めて所有した馬でのGI制覇。かなりの強運の持ち主であることがわかります。



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 先日、史上初のジャパンカップ連覇を成し遂げたジェンティルドンナ(牝4・石坂)は、年末の有馬記念には出走せず、来年のドバイを目指す予定です。

 ジャパンカップのレース後、石坂調教師は「プランは練っているところだが、ドバイに行くことになると思います」と発言。また、出走レースや気になる鞍上については「今後のプランについては鞍上も含めて未定です。レースは2013年と同じシーマクラシックが有力じゃないでしょうか」と述べていますが、ドバイワールドカップへ挑戦する可能性もある模様です。

 出走が有力なドバイシーマクラシック(GI・メイダン競馬場・芝2410m)は、今年2013年にも挑戦しましたが、ヨーロッパの強豪セントニコラスアビーの2着に敗れてしまったレース。2014年はその雪辱を果たしに行く舞台となりそうです。

 


 さてここで、これまでのジェンティルドンナの軌跡を振り返ってみましょう。

 2歳の11月にデビューしたジェンティルドンナは、2戦目で初勝利をあげると、続くシンザン記念(GIII)では、男馬を相手に完勝。素質の片鱗を見せます。

 5戦目で挑んだ牝馬クラシック1冠目の桜花賞(GI)。2番人気でしたが、中団から鋭い末脚を繰り出し、2着のヴィルシーナに1/2馬身の差で優勝。まずは1冠獲得です。

 次走のオークス(GI)では、主戦の岩田騎手が騎乗停止のため乗れないというアクシデントがありましたが、代役の川田騎手が落ち着いた騎乗を見せ、2着のヴィルシーナに5馬身差をつけて優勝。この圧勝劇を目の当たりにしたファンからは、牝馬三冠達成の期待が寄せられることになりました。



 順調に夏を越して向かえた秋。前哨戦のローズS(GII)も危なげなく勝利し、最後の1冠である秋華賞(GI)に挑戦します。レースは、向正面から人気薄のチェリーメドゥーサが先頭に立ち、後続との差を大きく広げて直線に向く展開になります。「これはジェンティルドンナ万事休す」かと思われましたが、岩田騎手の激しい叱咤に応え加速した同馬は、内から伸びてきたヴィルシーナとともにチェリーメドゥーサを捕らえ、最後は2頭並んでゴール板へ。際どい勝負でしたが、ハナ差でジェンティルドンナが1着となり、見事史上4頭目の牝馬三冠を達成しました。



 ここまでの成績を振り返っても素晴らしい馬であることがわかりますが、この馬の評価をさらに高めることになったのは、古馬と初対決となったジャパンカップ(GI)です。1番人気は、前年の三冠馬。世界最高峰のレースである凱旋門賞でも2着になったオルフェーヴル。ジェンティルドンナは離れた3番人気という評価でした。

 レースは、4角でマクリ気味に上がってきたオルフェーヴルと、内から伸びてきたジェンティルドンナの激しい叩き合いになりましたが、ハナ差でジェンティルドンナが優勝。オルフェーヴルの敗戦に、場内は騒然となりました。なお、最後の直線で、ジェンティルドンナの進路を確保するために岩田騎手は隣を走るオルフェーヴルに激しく馬をぶつけてしまい、レース後に物議を醸し出すことになりました。ただ、ジェンティルドンナの能力の高さは疑いようがなく、3歳牝馬ながら、2012年の年度代表馬に選ばれることになりました。



 年が明けて4歳となったジェンティルドンナ。2013年初戦は、中東ドバイで行われる国際GI・ドバイシーマクラシックになりました。レースは、やや掛かり気味の先行から直線抜け出しを計ったジェンティルドンナでしたが、先に抜け出したセントニコラスアビーとの差を最後まで詰められずに2着。海外の強豪を相手に健闘したとも言えますが、陣営としては道中もう少し折り合いがついていれば、という思いがあったかもしれません。

 帰国し向かえた6月の宝塚記念(GI)では、重い馬場に本来の能力が発揮できなかったのか、ゴールドシップの3着に敗退。10月の天皇賞秋(GI)でも、やや折り合いを欠き、ジャスタウェイに大きく離された2着に敗れてしまいます。

 前年の年度代表馬でありながら、なかなか結果を出せない2013年のジェンティルドンナ。ここで陣営は、思い切って騎手の乗り替わりを決断します。

 連覇を狙っての参戦となったジャパンカップ(GI)。鞍上は岩田騎手から、イギリスのR・ムーア騎手に変更となります。レースは、スローペースで流れる道中を3番手で無難に進んだジェンティルドンナが、直線満を持して先頭に立ちます。残り100mで脚色は鈍りましたが、3歳牝馬のデニムアンドルビーをなんとかハナ差凌いで優勝。復活をアピールするとともに、史上初のジャパンカップ連覇を成し遂げました。




 輝かしい成績を収めた3歳と、思うような結果が出せず苦しんだ4歳。酸いも甘いも経験したジェンティルドンナが、2014年もドバイの国際競走に参戦します。みんなで応援しましょう。



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